【サッカー】『武藤嘉紀の苦悩』という記事を読んで考えたこと
武藤嘉紀のインタビューで構成されたこの原稿を読みました。僕は結構衝撃を受けたんですが、これを読んで世間の人はどう思うのかなと少し考えました。そして考えたら、なんか腹が立ってきました。今日はそんな話。
なぜ武藤嘉紀は呼ばれないのか
結論はツイートしたことがすべてですが、ハリルホジッチの求めるFWじゃないからです。
選考基準は大迫でしょ。ハリルホジッチはFWに大迫みたいなプレーを求めてるんだから、マインツで求められてることを素直にこなせばいい。
— ハラダ (@sony0429) 2018年4月5日
「どういう選考基準か…」 武藤嘉紀の苦悩。暗転は2年前、復活遂げるも厳しく【日本代表当落線上の男たち】 https://t.co/MsDm5g97U2
ハリルホジッチがどういう考察や研究を経てここにたどり着いたかはわかりませんが、いま現在彼が行おうとしているのは、簡単に言えば一気にワントップにボールを当ててそこからの崩しを狙う形です。だから、とにかくいちばんボールが収まる大迫がファーストチョイス。2番手以降は恐らくいまだ手探りの状況なのかなと。だから杉本も小林も全然安泰ではない。もちろん岡崎も。
選考基準がわからない
だから選考基準は大迫なんです。武藤は大迫と同じ舞台で大迫よりも点を取っているという事実がありますが、その事実よりも大きなウェイトを占めているのが「ロングボールを収められるFW」ということなんです。好き・嫌いの話でも、上手い・下手の話でもない。できるか・できないかの話です。そしてこの認識ができてないことは、武藤選手のキャリアに大きな影響を与えることだと僕は思っています。
組織とは何かをわかっていない
冒頭の記事では、武藤のマインツでの苦しみについても書かれています。
今のチームでゴールを一番取ってるのは僕。それなのにベンチからになってしまう。しかも攻撃においてはロングボール一辺倒、自分を190cmの選手だと思ってるようなサッカーをする。後ろもイライラします。だからこそ、自分が下りて、相手の間に顔を出してつないでいけば、何度かチャンスが増えていくと思う。
(サンドロ・シュワルツ)監督は『前に張ってろ』『DFとDFの間にいろ』と言ってるけど、裏に行くのもバレやすい。1個下がって走るとDFもどっちにつくのか迷いが生まれるから、そこでチャンスが生まれる。僕はそういうのを続けていった方がいいのかなと思います
ここが完全にアウト。選手も取材してる記者もわかってない。戦術を決めるのは監督で、選手はその実行者でなければならない。監督がトップに張ってロングボールを受けろ、みんなはトップ目がけて蹴れというなら選手はそれを実行するべきで、「いや俺にそれは無理だから…」と言ってトップから降りてくる選手がいたらたまったもんじゃない。これは臨機応変な個人の対応の枠を超えた越権行為です。「個」を履き違えてると思うんですよね…。
例えば11台の車でツーリングしましょうってなったとして、リーダーが「首都高乗ってそのまま一気に行きましょう」と言ったとします。そのうち何台かが「俺は途中でコンビニ寄りたいし、しばらく環七で行くわ」、何台かは「俺、道の駅行きてえwww」、また何台かは「首都高は混むから抜け道ルート考えましたよ( ー`дー´)キリッ」ってなったらそれもうツーリングじゃなくなりますよね。
ツーリングじゃなくて会社の上司と部下で考えてもいいです。とにかく、命令系統から出る指示を現場が自己判断で変えていたら、何がダメだったのかを判断することすらできなくなる。最悪です。
サッカー選手は個人事業主ではありますが、チームに所属し、監督の指揮配下に置かれるという観点で見ると、サラリーマン的な部分もあるわけです。
それなのに別記事では山口蛍が…
「そんなに全部蹴れないし、やっぱりタイミングを見ながらやっていかないといけない。こっちは右サイドで時間を作りながらやっていこうという話をしていた。そのなかで蹴れ、蹴れという指示が飛んでいた。そことの食い違いはあると思う」
これもかなりアカンやつ。
「社長は部長を中心にグローバル展開しろって言ってるけど、部長ばっかり負担かけてもきっと無理だし、とりあえず国内で頑張る後輩に任せたわ」って言ってるようなもんですから。こんな部下いたら「いやいやいや…」ってなりますよね。
例外はある
死ぬほど点取ればいいんです。たとえば欧州リーグで20点取れば、どんなタイプのFWでも絶対に呼ばれます。まかり間違って30点取ればその選手中心のチームが作られる可能性は非常に高いと思います。翻って武藤選手は今期7点。その程度では監督の好みの範囲内でしか選ばれないですよ。
で、ある意味それを実行しているのが、ポルティモネンセの中島翔哉です。彼は戦術的な部分では欧州どころか日本でも下のレベルですが、中盤の選手でありながらゴールに特化したスタイルを貫き続けて、実際にゴールしている。
逆に中島翔哉くんの場合は一周まわらずにただ単に何も考えてなくて、俺はこのサッカーの方がいいとかじゃなくて、「俺はこれしかやらない」を貫き通している。呼ぶ方も戦術は求めてない。お前の「それ」をやれというだけ。だから「それ」ができなかったら終わり。
— ハラダ (@sony0429) 2018年4月5日
僕の妻も言ってました。「中島って人、入ったら猪みたいになってたよ。すぐシュートしてた」と。彼はそれいいんです。 ビジネスでもいいるじゃないですか、マジで全然言うこと聞かないで好き勝手やるやつ。でも、そういう人がいきなり大当たりかましたりしますよね。当てればヒーロー、当たらなければ変人。ただそれだけのことです。ちなみに中島翔哉の場合の「それ」はゴールです。
まるで武藤憎しかのように長々と尺を使って叩きましたが、武藤嘉紀選手のことは好きです。速いし身体強いし、はっきり言って期待しているFWですよ。よくぞ復活してくれたと思っています。だからそんな悲観的にならんでも、たぶん構想には入っているとも思っています。おそらく2番手。で、いま武藤以外を呼んでいるのは3番手及びマルチプレーヤー探しといったところじゃないかなと。というか、大迫以外にポストプレーをこなせる選手がいない状態なんですよ。だから逆に言うと、もし代表に絶対に入りたいならポストプレーを身につければいいだけだと思います。なんだ結局結論はこれかよ(笑)。
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