もう食べられない

パズドラが好きです。食べ物のことはあまり書きません。

『HiGH&LOW』を知らずに日本のエンタメを語るなよ

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「SWORDの祭りは達磨通せや」

かねてより気になっていた『HiGH&LOW』をついに視聴しました。

端的に言ってすさまじくよかったです。日本のエンタメコンテンツが束になってもかなわない超リッチコンテンツであり、例えば邦画や日本のドラマに関してああだこうだ言いたいのであればまずこれを観てからにしろと思いました。つーかハイロー観たんだろうな、オイと詰めよりたいくらい素晴らしい。邦画の歴史に残るような大作と言っていいのではないでしょうか。

僕はEXILEというか、肥大化しすぎた現在のLDHグループのことはよく知らないし、好きでもありません。ですが、この作品だけは大いに評価したいです。

アクションがハンパない

ピンポイントでグループ外からも俳優を起用していますが、基本的にはLDHグループのメンバーたちが役者をやっております。なので、演技はお察し。ただ、アクションはすげえ。すごすぎます。

EXILEの人たち、めっちゃ踊るじゃないですか。あのダンシング能力をケンカやアクションシーンに注ぎ込んでるんですよ。絶対すごいことになるってわかりますよね。

シンプルに「すげえ…」ってなるのが、物語に登場するチームのひとつ「RUDE BOYS」の紹介ムービーです。





建物や障害物を身体ひとつで飛び回るパルクールを披露するのはこのチームの特徴ですが、ほかのチームもアクション(ケンカ)シーンのスゴさでは負けていません。

金がかかりすぎている…


さきほどの「RUDE BOYS」の住んでいる街、戸籍のない人とかが住んでるんですよ。で、住んでる人も皆さん揃って現代日本とは思えないような暮らしを営まれているのです。そんな世界が僕らの街のすぐ隣りにある。ありえない。

そのありえないを「ありえる」にしちゃっているのが莫大なカネ。資本力です。この作品にはものすごくお金がかかっています。セット、ヒト、モノ、映像演出、どれも圧倒的です。

金のパワーでめちゃくちゃな世界観を本当にしちゃっているんですね。各チームは構成メンバー全員が同じような格好をしているんですが、そこにもチープ感がいっさい感じられない。何気ない日常シーンの映像ひとつ取ってみても、「あ、これ金かかってるやつや…」ってなります。



本稿の冒頭に貼り付けた画像のチーム「達磨一家」の紹介ムービーです。彼らと、物語上の主人公チーム「山王連合会」とのバトルシーンはとくにすごい。廃墟となったショッピングモールを舞台にふたつのチームがワーワーやり合うんですが、そんじょそこらの不良ムービーやアクションをウリにする映画が太刀打ちできないレベルの超大乱闘を「どうやって撮ってるんだ」って気になって仕方ないくらいのワンカット長回しで見せてくれます。まあふつうにドローン使ってるんじゃないかなとは思いますが、フロアをまたいだ縦横無尽なカメラワークは本当に一見の価値があります。

あと、これは本筋とは外れるんですが、ハイローのケンカって、やってることはまあまあえげつないんですが、出血を極力抑えているので残虐感は薄いんですよね。鼻血とかあんまり出ない。これはハイローのバトルシーンの特徴のひとつだし、あえてやってる演出なんだろうなあと思います。やっぱり想定ターゲットに女子が多いと思うので。

唯一劇場版のラストバトルではみんな血だらけになります。出血シーンを絞ることで激しさを表現しているのかもしれないですね。

はちゃめちゃな世界観に痺れる

すでに3つのチームに触れてきましたが、ハイローは5つのチームの頭文字をとって呼ばれるSWORD(スウォード)地区を舞台に繰り広げられる物語です。

漫画か!!!!!

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※画像クリックでデカく表示されます。

相関図に人が多すぎる…。

見ていけば自然に無理なく覚えられますが、そうでないヒトにはなかなかのハードルかもしれませんね。ただ、各チームはそれぞれでスピンオフが余裕で作れるくらい濃いメンバーが揃っていて、しかもそれぞれの世界観は既存の作品に既視感があるというか、わかりやすく言うと「◯◯っぽい」。

S:山王連合会:下町の不良仲間(田中宏的世界観)
W:ホワイトラスカルズ新宿スワン
O:鬼邪高校:クローズ、WORST
R:RUDE BOYS:GetBackers-奪還屋-、スワロウテイルとか?
D:達磨一家:JIN-GI 御免!とか?

若干例えにくいものもありましたが、まあいずれにせよ個性は際立っています。この5つのチームのほかにSWORD地区の利権を狙うヤクザさん、地区外から進行してくる別チームが絡み合いワーワーやるわけです。

で、過去には超巨大なひとつのチームがこの地区を治めていたとか、その超巨大なチームにふたりで立ち向かった兄弟がいたとか、心が震えるワードがビシバシ登場すると。

世界観、めちゃくちゃでしょ。でも男ならみんなやられます。

ストーリーもザル

ストーリーもわりとひどいです。ひど…、うん、ひどいですね。めちゃくちゃです。

でもまあそのひどいストーリーと、作中のおもしろセリフもハイローの味です。少々のマイナスを目くじら立てて責めるのではなく、巨大なプラスを見て欲しい。

驚くべきはこのスーパーリッチコンテンツが地上波のドラマでやっていたということ。LDHグループの俳優業への進出は多くの人の知るところではございますが、それが成功していたかと言われると、贔屓目に見て失敗。フラットに見ると大失敗と言っていいんじゃないでしょうか。なにしろ演技が…。

ハイローの前身というわけでもないですが、『ワイルドヒーローズ』というLDH軍団が主演の似たようなドラマを僕は観ていましたが、あれもストーリーはペラッペラで、役者(全員ハイロー出てる)の演技も泣けるくらいヘタでした。繰り返しますが、彼らはこの問題を金で解決しました。

すべてを圧倒するクオリティに仕上げれば演技もストーリーも関係ない。俺達が最高にカッコよく見えるドラマを俺たちが作る!!! ハイローはそんな気概に満ち溢れた作品なのです。

ちなみにいまから観たいという人にはhuluがオススメです。

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TVドラマのシーズン1と2、それと劇場版の1作目までが全部視聴できます。あと、ライブも期間限定で観られるのですが、これもバカスゴい…です…。繰り返しになりますが、ハイローに対する金のかけ方は尋常じゃないです。このライブも「すげえ…」の連発でした。

シーズン1は全チームが顔見せ的に登場。
シーズン2は伝説のチーム「ムゲン」を描いた過去編と、各チームごとのエピソードが展開。

劇場版はドラゴンボールで言うサイヤ人襲来編です。シーズン2で登場した地区外のチームやムゲンの琥珀さんがSWORDを制圧しようとしてくるので、各チームが集結して迎え撃つというお話。アベンジャーズと例えている人もいますが、「うおおおおお、胸熱ぅぅぅぅ!!!!」であることは間違いないです。

興味ない人はとことん興味ない作品かもしれませんが、食わず嫌いしてたらマジでもったいないです。日本のエンタメの底力を見たという意味では『シン・ゴジラ』や『君の名は。』にも匹敵すると思いますよ。

ぜひ、ご視聴あれ。
あ、映画の2を観に行かねば…!